ローマ在住の映画監督サルヴァトーレは故郷の母から、アルフレードが死んだという電話を受け取る。サルヴァトーレはベッドで寝ながら昔のことを思い出す。第二次世界大戦中「トト」と呼ばれていた幼いサルヴァトーレ少年は,シチリア島の辺鄙な村で、母と妹と暮らしていた。当時、村のたった一つの娯楽施設は、村の中心の広場にある教会を兼用した小さな映画館だった。当時の村人たちにとって教会兼用のその映画館は、唯一の外の世界への窓だった。週末になり映画館で古い映写機が鳴り出すと、アメリカ映画に出てくる信じがたい豊かさや、保守的な村ではありえないロマンティックな男女関係など外の世界を、村人たちは目を丸くして見ていた。新作の輸入映画のかかる夜には、村人たちはみな映画館に集まり、スクリーンに声援を送り、また教会の謹厳な司祭がラブシーンを削除させた場面では、揃ってブーイングを鳴らすのだった。映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んで、そのたび映写技師のアルフレードにつまみ出されていた。ある事件をきっかけに2人は親しくなり、アルフレードはトトに映写機の操作を教えるようになった。ある日映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは、火傷で視力を失った。やがて父親の戦死が伝えられ、トトは新しく建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で子供ながら映写技師として働き、家計を支えるようになった。年月が過ぎ、若者となったトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮影するようになる。駅で見かけた少女エレナとの初恋を経てトトは軍隊に徴兵されるが、除隊後村に帰ると映写室には別の男が座り、エレナは音信不通となっていた。落ち込むトトにアルフレードは「若いのだから外に出て道を探せ、村にいてはいけない、そして帰ってきてはいけない」と言ってきかせる。「人生はお前が観た映画とは違う、もっと困難なものだ!」。トトはその言葉に従って列車に乗り、ローマに向け旅立った。30年後、映画人として成功したサルヴァトーレはアルフレードの葬儀に出席するため、年老いた母の待つ故郷の村に帰ってきた。そこで彼は「新パラダイス座」がすでに閉館し、建物の取り壊しも近いことを知る。サルヴァトーレはアルフレードが彼に遺した形見(1本のフィルム)を渡される。ローマに戻ったサルヴァトーレはそのフィルムを映写させる。瞬くスクリーンを見上げると、愛への頌讃に満ちたラブシーンが連続して映し出される。かつて幼いトトが、アルフレードから貰い受けて繋ぎ合わせたキスシーンばかりのフィルムだった。それを見ながらサルヴァトーレは、会わない間も自分の事を思い愛していてくれたであろうアルフレッドのこと、若いころの失恋の傷が癒えていないこと、エレナのように愛せる人がいない虚しさを、遠く過ぎ去ってしまった故郷シチリアでの青春の日々を、タイムカプセルのように思い出し、そして故郷を捨てて映画を愛してきたことに涙を流したのだろうか。

 

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