仕事・労働は、賃金を得るための生活の糧であり、個々の暮らしを支える重要なものである。また、充実した生活・人生を送るための糧でもあり、仕事・労働にやりがいや生きがいを見出すことも大切な要素である。 しかし近年は仕事のために他の私生活の多くを犠牲にしてしまう仕事中毒(ワーカホリック)状態となり、心身に疲労を溜め込みうつ病に代表される精神疾患を患ったり、過労死や自殺に至ったり、家庭を顧みる時間がなくなることで家庭崩壊に陥るなどの悲劇を生む事例が後を絶たなくなった。仕事をしなければ収入が得られず、経済的に困窮する原因となる。逆に時間の大半を仕事に費やす長時間労働では心身の健康を害するほか、家庭や地域との和を乱す原因ともなる。これらを両立するには、仕事と(その他の)生活のバランスを取ることが必要である。仕事と生活のバランスを崩したことで起こる悲劇の急増は、労働者にとって日々の私生活や将来への大いなる不安を抱かせることになり、返って社会の活力を低下させてしまうことになる。さらには多忙で安定した生活ができないことにより出生率低下・少子化に繋がり、人口を減らす原因となってしまうとも考えられている。こうしたことから、仕事と生活のアンバランスが原因で引き起こされる多くの悲劇を抑えようと、「仕事と生活の調和」、ワークライフバランスが提唱されるようになった。 

(Wikipedia)  

  

労働力による収入を生活の中心に組み立てれば組み立てるほど、より長時間労働に頼らざるを得なくなるのです。その結果として起きている大きな問題の一つが少子化です。 ①  労働者の労働環境が整っていないため、女性が働きながら子どもを産むのが難しい ②  男性の育児・家事への参加時間が他国に比べて極端に少ない この二つの要因を引き起こしているものが、長時間労働です。日本はワークライフバランス(仕事と生活の調和)をもっと上手に整えられるよう、労働時間短縮のための仕組み作りが必要です。労働以外の収入の手段が乏しい場合、長時間労働を受け入れ、さらに失業がそのまま生活の不安につながるときは、よりその傾向は高まります。その結果、女性は子どもを持ちながら働くことが困難となり、男性も長時間労働と長時間通勤で疲労がたまっているため、家庭への家事・育児参加が肉体的にも精神的にも困難となるのです。そのために少子高齢化が進んでいるのです。この少子高齢化を食い止めるためにはワークライフバランスの改善が必要だといわれていますが、その一つの方法が、家計が労働収入にすべてを頼らない収入を持つことだと私は考えています。労働力による資産形成と金融資産形成によりワークライフバランスを整えていくことです。 

(経済評論家 勝間和代)